大佐のたわごとブログ

目標週3以上更新。8時までに更新がなければお休みです(笑)。短文中心でお互いに発見があるような内容を書いていきたいです。

エドモン・ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』読書感想

 今回の読書感想シリーズはエドモン・ロスタンの『シラノ・ド・ベルジュラック』です。演劇で有名な作品みたいなので知っている方も少なくないかと思います。

 フォーマットとしては小説というよりも戯曲です。台本のような形式で書かれており、シェイクスピアの作品のような形式で書かれた作品です。

 それでは本編に参りましょう。よろしくお願いします。

 主役のシラノは実在の人物がモチーフになっています。実在の人物はwikipedia上でも哲学者、作家、剣術家、理学者となっており、すさまじい文武両道っぷりです。

 作家としての才能も凄く、『人間ぎらい』『タルチュフ』などで有名なモリエールがシラノの作品をひょう切したことでも有名です。

 また作中に出てくる100人を相手として生き残ったという武勇伝は真偽はともかくとして、一応本人の武勇伝ベースの話です。これが事実なら文武両道っぷりがバグってます(笑)。

 

 おおまかなあらすじは、分布両道でおまけで詩の才能まである完璧超人シラノ。しかし容姿にはやや恵まれませんでした。異様なまでに大きな鼻に劣等感を持っています。

 彼は美しい従妹のロクサーヌに恋をするも、醜い鼻にコンプレックスを感じ告白できない。とまあこんな感じです。ここまではよくある大衆娯楽って感じです。

 

 i従妹と恋仲になるクリスチャンは詩の才能がなく、上手にロクサーヌを口説けません。そこをシラノが代筆したり、彼の声色を真似て口説いたりと...まるでコメディみたいです(笑)。

 イケメンのクリスチャンの名前と顔を借りて、ロクサーヌにぶつけられない恋心をこれでもかとぶつけていくシラノ。それでいいのか?シラノ!な展開が続きます。

 

 テーマとしてはルッキズム(外見至上主義)をテーマにした話かなと思いました。容姿はいいんだけど、才能はからきしのクリスチャン。

 対して分布両道だが容姿コンプレックスのシラノの対比を強く感じました。ルッキズムに疑問を投げかける作品かなと読んでいておもいました。

 

 オチとしてはまあ悪くないかと、「大衆娯楽+時を超えて生き残るだけの要素」は確かにある作品かと思います。ただ深い話が好きな人にはおススメしません。

 良い作品だと思うけど強く他人に推奨もしない、10点満点中5.5点ぐらいの作品かなと思います。合間に挟むぐらいで読むと良いかと思います。

 

余談:

 シラノ・ド・ベルジュラックはフランスのアンケートで一番人気の人気キャラです。2位は『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン、3位『三銃士』のダルタニアン。まあ、それだけ人気のあるキャラなんですね。凄いですね!

 まあ実際オチを見てもカッコいいとは思いますし、大衆娯楽作品としてはすごくよくできていると思います。