大佐のたわごとブログ

目標週3以上更新。8時までに更新がなければお休みです(笑)。短文中心でお互いに発見があるような内容を書いていきたいです。

吉野源三郎『君たちはどう生きるか』読書感想

 今回は吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』の読書感想です。同名ジブリ映画が公開されましたが、調べてみたところ本作は原作というのではないことにご注意ください。あくまで強く影響を受けた作品ぐらいのポジションかと思います。

 本作は一度コミカライズ(漫画化)されており、漫画版なら読んだことあるって方が多い作品かなと思います。漫画版は200万部を売り上げたヒット作となったみたいです。

 ちなみに筆者は漫画版は一度、ジブリ映画の方がまだ未視聴です。参考になればと思います。前置きが長くなりましたが、本編に参りましょう。

 中学生の主人公コペル君がおじさんとの交流を通じて、一人前の人間に精神的に成長していく過程を描いた作品です。

 この作品の特筆すべきことは、全てが中学生の主人公の身の丈にあった範疇で完結していることです。ただ、おじさんとコペル君が非凡なことぐらいでしょう。

 補足事項が1つあるとこの時代の中学生はかなり裕福な子供が行く場所で、コペル君は女中や女中長がいるし、友人の水谷君と北見君もかなり裕福です。

 

 自分が世界の中心でないことに気付くことを、天動説から地動説への例えは非常にうまく開幕から掴みが良いです。

 本作が非凡な作品なのはおじさんとの哲学的な対話もさることながら、コペル君の気付きや取り巻く事件が中学生の身の丈の範疇を出ないあたり、読みやすく親しみやすいところかと思います。

 この馴染みやすさがコミカライズされてヒットした要因とすら思います。

 

 コミカライズ版とどちらが優れているかといわれれば、誤差かなと。本作の方がコペル君の厨二くささが抑えられてますし、漫画版はあの絵柄でコペル君なので受け付けない人は受け付けないかと(笑)。

 僕的には活字を読むことに抵抗がなければ原著一択かなと思います。同名ジブリ映画が公開されて、話題がホットなうちに手を伸ばしたい作品かと思います。傑作。