今日も読書感想です。今日書くのはミヒャエル・エンデの『モモ』です。我が国では人気のある本らしく、Kindleのハイライトの人数も非常に多かったです。
内容としては絵本のような易しい書き方で、子供向け…と見せかけた大人向けの本です。結論からいうとかなり良かったです。それでは感想にいってみましょう。
あらすじとしては不思議な女の子モモが、せかせかと人生を送るよう人々を洗脳する時間泥棒と戦うおとぎ話です。絵本チックなファンタジー小説です。
この時間泥棒に洗脳された大人がせかせかと余裕なく生きている人生は、現代社会そのものであり、非常にメッセージ性の強い作品といえます。
文章の書き方は子供向けなんですが、内容はメッセージ性の強さのせいで大人向けの作品だと思います。
この辺は子供も読める大人も考えさせられる。サン=テグジュペリ『星の王子様』に近いようでやや遠いと思います。
時間泥棒のやり方は人々を洗脳したり、モモの友人を有名作家にしたりとまるでマスメディアのようです。たぶん時間泥棒はマスメディアのことだと僕は思います。
絵本的な部分に言及するとファンタジックなマイスター・ホラの住む世界。ピンチの時も冷静に朝ごはんを食べることを提案する可愛らしいところのあるカメ「カシオペイア」(笑)など、なかなかファンタジックで素敵な世界観が繰り広げられます。
このファンタジックな世界観と、強いメッセージ性が我が国の大人の心を掴んだのだと思います。日本人はファンタジー大好きですからね(笑)。
内容としてはかなり素晴らしいです。メッセージ性の強い部分が刺さりましたね。人生の時間をどう使うべきかなど、セネカの『人生の短さについて』にも通じる部分があります。
『星の王子様』、『人生の短さについて』などが好きな人は読むべき。名作。お金ができたらリアル書籍で欲しいレベル。30冊選んで残せと言われたら残します。