大佐のたわごとブログ

目標週3以上更新。8時までに更新がなければお休みです(笑)。短文中心でお互いに発見があるような内容を書いていきたいです。

デュマ作『椿姫』感想

 今回も読書感想です。今回読んだのは、アレクサンドル・デュマ・フィスの『椿姫』です。高級娼婦と貴族の主人公(作者の分身)との悲恋をテーマにした作品です。

 この本の第一の感想はレ・ミゼラブル(ああ無常)』より『レ・ミゼラブル』です。娼婦ってだけでここまでひどい目に合うのか…と思わされる作品でした。

ふわふわしたタイトルなのに、容赦ない現実がそこにある

 一言でいうと作者の体験談に脚色を施して、1つのフィクションとしてまとめあげた作品です。実体験+脚色のタイプの作品です。

 もうね。一言でいうと「娼婦ってだけでそこまでひどい扱いを受けます?」って思います。そこまでに救いのない話が待っています。かなり重たいです(笑)。

 そういえば『レ・ミゼラブル』の娘のために娼婦にまで身を落とすファンティーヌなんかも、かなり胸糞悪い展開でしたね。当時の娼婦の扱いって…と思います。

 

 実話ベースで書かれているだけあってリアリティが凄いです。脚色もほどよく、読み物としての面白さは素晴らしいです。ただ、やるせない思いがこみ上げてきます。

 しかし実話ベースだとここまで救いがないものなのか…と思わされます。『レ・ミゼラブル』のジャン・ヴァルジャンや、『ファウスト』のファウスト博士ですら救いはあったのに...。ここらへんがフィクションと現実の違いとでもいうのでしょうか。

 

 いろいろ考えさせられる作品でした。面白いです。良作。2度名前を見た本は読むルールに従って読むとハズレが少ないですね(笑)。