大佐のたわごとブログ

目標週3以上更新。8時までに更新がなければお休みです(笑)。短文中心でお互いに発見があるような内容を書いていきたいです。

ドストエフスキー『白夜/おかしな人間の夢』読書感想

 今日も読書感想です。今回読んだのはドストエフスキーの『白夜/おかしな人間の夢』です。それではよろしくお願いします。

 基本的に短編集的な本です。この2作品がメインで他3~4本の小作品を含んだ本です。主にメインのこの2つの話をしていこうと思います。

 

 『白夜』はドストエフスキーにしたら超あっさり味の恋物語です。作者名を伏せて読ませると、まずわからない出来ってぐらい別人の作品感があると思います(笑)。

 若い男女の気持ちの移ろいや、わずかな間の恋を白夜に例えるセンスは素晴らしいですね。非凡なものを感じます。婚約者を待つ女性の心理は真に迫るものを感じました。

 

 『白夜』は捨て置くには惜しいがドストエフスキーの作品としてと言われると…な作品です。単品として悪くないのですが、入門にはやや不向きな気もします。難しい立ち位置だと思います。

 

 次に『おかしな人間の夢』、解説が素晴らしく様々な氏の作品のエッセンスをうまく合算したような話作りという視点は流石だと思います。

 濃厚なテーマをしっかり短編に落とし込んでいるのは凄いですね。ただ、キリスト教色が半端ないのはトルストイ同様かなと(トルストイよりはマシですが(笑))。

 

 こちらも悪くないです。テーマとして深いものを扱っており、短編としてみれば出来は良いと思います。メインの2本だけで十分価値がある本だと思います。

 総じて短編として優れていると思います。最初に読むのはおススメしませんが、ドストエフスキーファンには読んで損はないかと思います。そういう立ち位置かと。